コラム

靭帯や血管を強くするには

靭帯や血管は、実は同じタンパク質の線維によって支えられています。

その線維がエラスチンというタンパク質であり、靭帯や血管だけでなく人体の様々な部分に分布している成分です。

ここでは、健康だけでなく美容にも関わっているエラスチンの機能について解説し、どうすればエラスチンを強く出来るのかという点をご紹介します。

 

靭帯や血管の機能が低下する原因

エラスチンには、コラーゲンというタンパク質を束ねて組織に弾力性を与えるという役割があります。

コラーゲンは人体の至る所に存在していますが、エラスチンに束ねられることによって組織に弾力性と耐久性が加わります。

特に伸び縮みを頻繁にする組織ほどエラスチンの含有量が大きくなりますが、このエラスチンの機能が低下してしまった場合は弾力性が失われ、思い切って伸ばした時に靭帯が切れてしまうなどの怪我や病気の原因になってしまったり、バストを支える靭帯が緩んでバストの形が崩れてしまう原因になります。

 

エラスチンの機能が低下してしまう原因には、加齢によるタンパク質の合成機能の低下が挙げられます。

コラーゲンやエラスチンといったタンパク質はヒトの体内で作られているものですが、年齢を重ねるとともに新しいタンパク質を作り出す機能が損なわれてしまうため、古くなったエラスチンなどの線維が代謝されずに残ってしまうのです。

古くなったゴムは切れやすくなったり伸びづらくなりますが、同じことがエラスチンを多く含む靭帯などの組織で起こります。

古いエラスチンを多く含んだ靭帯は強度の高い運動をした時などの負荷に耐えられず、突然に切れてしまうのです。

年齢を重ねるほどに靭帯を切りやすいのは、靭帯を構成するエラスチンが古いものばかりになって弾力を失うからです。

 

弾力を取り戻すためにできること

既に作られてしまったエラスチンの弾力を取り戻すことはなかなか出来ません。

エラスチンの弾力を若い時のような状態へと戻し、靭帯などの強度を取り戻したいのであれば、タンパク質を産生する機能をより活発にすることが望ましいでしょう。

そのためには、身体を冷やさないようにして全身の血行を改善し、エラスチンやコラーゲンを産生する機能を持った細胞へ栄養を潤沢に送ってあげることが大切です。

加えて、エラスチンの元となる栄養を積極的に摂取することも必要です。

 

エラスチンはタンパク質の一種ですから、タンパク質を多く含んだ食品を摂ることによって材料を補充することが可能です。

例えば、牛スジ肉などにはエラスチンの元になるタンパク質が多く含まれているため、靭帯の弾力や耐久性を取り戻すにはピッタリな食材です。

しかし、もっと手軽にエラスチンの元になるタンパク質を摂取できるサプリメントが販売されていますから、それを摂取して栄養素を補給するのも良いでしょう。

多くは魚や豚などの動物性タンパク質を分解した産物が含まれています。

好みやその他の有効成分にも着目して、自分にピッタリのサプリメントを探してみましょう。

 

エラスチンの体内分布

エラスチンはヒトの体内の至る所に存在していますが、弾性が必要な組織により豊富に存在しています。

エラスチンが特に豊富なのが、靭帯などの運動に関わる組織です。

靭帯は骨同士を繋いでいるだけでなく、その弾力を用いて運動の補助を行います。

靭帯はその構成成分の80%がエラスチンであるとも言われており、人体の中でも特にエラスチンが豊富で弾性に富んだ組織であることが知られています。

エラスチンを強くすることによって、年齢を重ねても靭帯を切るなどの怪我をしにくくなります。

特に膝や足首は靭帯に強度を依存している関節ですので、年を取っても元気に歩き続けたいのであればエラスチンを摂取し、靭帯を健康に保つことが不可欠です。

 

他にも、エラスチンを多く含んだ組織には大動脈などの大きな血管があります。

末梢血管よりも大動脈などの大きな血管は血液の量によって大きく内径を変える必要があり、その分だけ弾力が求められます。

そのため、エラスチンが多くなりますので、エラスチンの機能が低下してくることによって大動脈解離などの疾患の原因になることがあります。

大動脈の血管壁はその50%がエラスチンによって構成されていると言われており、私たちの日常生活の中で体液量の変化に応じて伸び縮みをしています。

他にも、呼吸に伴って伸縮する肺はエラスチンが20%ほど含まれていますし、肌の弾力にもエラスチンは関わっており、皮下組織の5%程度を占めると言われています。