コラム

エラスチンとコラーゲンの違い

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肌や靭帯を健康に保つために、コラーゲンはとても重要な存在です。

そのコラーゲンと同じくらいに大切なのがエラスチンです。

ただ、エラスチンはコラーゲンに比べて知名度が低く、その働きはあまり知られていない傾向にあります。

そこで、今回はコラーゲンとエラスチン、それぞれが肌においてどのような役割を果たしているのかを解説していきます。

 

コラーゲンの役割

コラーゲンとは、人の体内に存在するタンパク質の一種です。

人の体に存在するタンパク質の約3割がコラーゲンで、さまざな役割を担っています。

体内のコラーゲン全体の割合としては、約40%が皮膚、約20%が骨や靭帯、残りは血管壁や内臓などに存在しています。

そして、皮膚の真皮に関してはその70%~90%ほどがコラーゲンで構成されています。

つまり、人間の体にとってコラーゲンは非常に大切なものと言えるでしょう。

また、コラーゲンにはいくつか種類あり、代表的なところではコラーゲンI型が皮膚や骨や腱などを構成し、コラーゲンII型が軟骨の主成分として関節を構成しています。

 

コラーゲンの役割は、大きく分けて4つあります。

それが「細胞と細胞をつなげる接着剤として働くこと」「皮膚や骨や臓器を作るための構造タンパクとなること」「細胞に入る栄養と細胞から出る老廃物を運搬する経路になること」「カルシウムや水分などを骨や皮膚の組織に定着させること」です。

これらの働きによって、肌のハリや弾力を維持することで形状を保ったり、関節を安定させるための靭帯としての役割を担っています。

また、コラーゲンは他のタンパク質と違って繊維状になっているという特徴があり、それがコラーゲン特有の働きを実現させるために役立っています。

そして、コラーゲンの役割の多くがエラスチンとの相乗効果によるものです。

 

エラスチンの役割

エラスチンは主にコラーゲン同士を結び付ける働きを持つ、弾力性の高いタンパク質の一種です。

名前の由来であるelastic(エラスティック)には「弾力・伸縮・しなやかな」という意味があります。

エラスチンは、先に紹介したコラーゲンをサポートするような形で、肌や靭帯に伸縮性や弾力性を与えています。

エラスチンは全身の血管壁や軟骨、靭帯や皮膚などに存在しています。

この中でもエラスチンがより多く存在しているのが、血液が多く流れる心臓付近の動脈の血管壁や大きな関節の靭帯です。

また、エラスチンは赤ちゃんの時期に多く生成され、20代半ばごろから減少していきます。

 

エラスチンの主な役割は大きく分けて3つあります。

それが「肌のハリや弾力を保つ」「靭帯の伸縮性や弾力性を維持する」「血管壁を柔軟に保つ」です。

体の器官に弾力性や伸縮性を与える効果があるからこそ、これらの効果を発揮できます。

もしエラスチンが高齢化等の原因で減少してしまった場合は肌にシワやたるみができやすくなったり、靭帯に柔軟性がなくなって関節が動きにくくなる、血管の柔軟性が低くなり動脈硬化・心筋梗塞・脳血栓のリスクが高まるなどの状態になってしまいます。

コラーゲンと比べてあまり知られていないエラスチンですが、このように体の中でとても重要な役割を担っています。

加えて、バストの形をキープするために必要なクーパー靭帯にもエラスチンが含まれているので、バストの形状に影響を与えている存在でもあります。

 

年齢と共に減少してしまうエラスチンですが、「多く紫外線を浴びない」「ストレスをため込まない」「バランスの良い食事をする」ことで過度に減少するのを防ぐことができます。

また、エラスチンは牛すじや手羽先などの食品にも含まれていますが、あくまでもタンパク質の一種ですから、体内で分解されればアミノ酸やペプチドの形になり、体のあらゆる部分に使用されます。

そのため、エラスチンを摂取したとしても、そのままエラスチンとして活用されるわけではないことは知っておきましょう。

 

肌とコラーゲン、エラスチンの関係性

肌は表皮・真皮・皮下組織から構成されていて、コラーゲンとエラスチンは真皮部分に存在しています。

肌組織の大部分を占めている真皮ですが、その70%~90%がコラーゲンで構成されており、エラスチンは僅か5%ほどの割合です。

基本的にはコラーゲンが肌の形状を保つ役割を、エラスチンが肌に弾力やハリを与える役割を担っています。

真皮内でコラーゲンは繊維状に広がっていて、そのコラーゲンを結ぶような形でエラスチンが配置されています。

また、このコラーゲンとエラスチンが構成する組織の隙間を埋めるように、水分保有力の非常に高いヒアルロン酸やグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖類)が存在しています。

その効果で肌の潤いを保っているのです。

 

真皮内を構成するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸はどれも繊維芽細胞から作られています。

歳を重ねると共に繊維芽細胞も減少するため、コラーゲンやエラスチンも減少していきます。

笑いじわに代表されるシワは、肌に対して元の形状に戻ろうとする特性を与えるエラスチンが減少したこと、その状態をコラーゲンが形状記憶していることから生じる状態です。

 

ただ、こうしたコラーゲンやエラスチンの減少に対する対策方法もあります。

例えば、コラーゲンを生成するために必要なビタミンやミネラルを摂取する、化粧水などでコラーゲンの生成を助けたり角層を潤す、赤外線で真皮のコラーゲンを活性化させるための美容医療を受ける、真皮に繊維芽細胞を注入する肌再生医療を受ける方法などがあります。